マンキュー経済学 ミクロ編 -9-

-応用:国際貿易- 国際貿易は経済的福祉に対してどのような影響を及ぼすのだろうか。 ①貿易の決定要因 ・貿易がないときの均衡 架空の国「アイソランド」の鉄鋼市場が世界から隔離されているとしよう。この場合、総余剰は国内需要と国内供給によって決定さ…

マンキュー経済学 ミクロ編 -8-

-応用:課税の費用- この章では課税が厚生に与える影響を考えてみる。結論としては書いてと売り手が負担する課税の費用は、政府の収入を上回る。 ①課税の死荷重 課税による政府の税収は下図1のT×Qで表せる。下図2を見てみよう。課税がない場合の市場に…

マンキュー経済学 ミクロ編 -6-

-需要、供給、および政府の政策- この章では政府の政策がどのような効果をもたらすのかを分析する。 ①価格規制 政府は法律である財の「価格の上限」と「価格の下限」を設定することができる。 1.価格の上限 価格の上限は均衡価格よりも高く設定される場…

『阿含経典1』 増谷文雄編訳

前半が「縁起」にまつわる経典群、後半が「五蘊」にまつわる経典群。膨大な量の原始仏典を増谷文雄が適宜まとめたもの。あと二巻あるからきちんと読むぞ。

マンキュー経済学 ミクロ編 -7-

-消費者、生産者、市場の効率性- この章では厚生経済学のトピックである、資源配分が経済的福祉に与える影響を考える。この章の結論は「市場均衡価格が最も良い価格である」というものである。 ①消費者余剰 まずは買い手が市場に参加することで得られる便…

マンキュー経済学 ミクロ編 -5-

-弾力性とその応用- 弾力性は、市場の状態の変化に対する売り手と買い手の反応の度合いを測る尺度である。この概念を導入することで、より精緻な需給メカニズムの分析が可能になる。 ①需要の弾力性 需要がその決定要因の変化に対してどれくらい反応するか…

『クルーグマン教授の経済入門』 ポール・クルーグマン

経済学の講義というよりも、現実の経済を経済学を用いて論じた本。インフレターゲットとか今の日本の経済にとってもタイムリーな論考が収められていて、勉強になった。あと住友商事の銅事件って知らなかったなあ。

マンキュー経済学 マクロ編 -17-

-インフレ率と失業率の短期的トレードオフ関係- 長期的にみればインフレ率と失業率は相関関係にはない。自然失業率は労働市場の様々な特性に依存する一方で、インフレ率は中央銀行の貨幣供給成長に主に依存したからだ。しかし短期となると話は別である。 ①…

マンキュー経済学 マクロ編 -16-

-総需要に対する金融・財政政策の影響- 本章では、政府のもつ金融政策と財政政策の手段が総需要曲線にどのような影響を及ぼすかについて考察する。 ①金融政策は総需要にどのような影響を及ぼすか 総需要は次の三つの理由により物価に対して右下がりであっ…

マンキュー経済学 マクロ編 -15-

-総需要と総供給- この章では経済活動の短期的変動を「総需要と総供給のモデル」を利用して分析していく。 ①経済変動に関する三つの重要な事実 1.経済変動は不規則で予測不可能である。 経済の変動は景気循環と呼ばれるが、循環という言葉からは想像しに…

"CUCKOO'S EGG" Clifford Stoll

KINDLE版を読了。物理学者が大学のシステムに侵入したハッカーを追いかけた回想録。昔のコンピュータ描写ってなんだか燃えるよね。高校のときに見た"The Net"もそんな感じで面白かった。 www.youtube.com

『わが友 石頭計算機』 安野光雅

コンピュータ解説絵本。文庫版を読了。前半がハードウェア、後半がソフトウェア、最後に少しロボットについて。基礎理論とアルゴリズムの理解に役立つ。

マンキュー経済学 マクロ編 -14-

-開放経済のマクロ経済理論- ①貸付資金と外国為替の需要と供給 開放経済で作用する諸要因を理解するために、貸付資金市場と外国為替市場に注目する。 ・貸付資金市場 前章での恒等式から出発しよう。 S = I + NCO 左辺の貯蓄は貸付金融市場の供給、右辺の…

『さみしさサヨナラ会議』 小池龍之介×宮崎哲弥

恋愛をテーマにして、苦しみの原因となる人間の欲望について仏教の側面から検討した対談本だ。実践的な恋愛テクニックとして「レコーディング恋愛」なるものも紹介されている。 小池氏いわく、 ただひたすら認知しフィードバックするという、「レコーディン…

『日本語の作文技術』 本多勝一

ずっと気になってた「、」の用い方について記してあり、大変勉強になった。今まで「、」は”必要だと思ったところに打て”という感じでなんだか座りが悪かったけれど、この本では明快に説明してあった。

マンキュー経済学 マクロ編 -13-

-開放マクロ経済学:基本的概念- ・財と資本の国際フロー 開放経済では①生産物市場での財・サービスの売買②金融市場での資本資産の売買が行われる。 ①では輸出が輸入より多ければ貿易黒字、少なければ貿易赤字、同じならば貿易収支均衡という。 ②では「純…

『高校数学でわかる統計学』 竹内淳

一応大学のゼミでは何をやっていたと聞かれれば「統計学」と答えるようにしているけれども、統計学を数式でちゃんと理解するのは難しい。まあきっと数学的な証明を子細に理解するよりかは、それぞれの知識や分布の関連性(つまり統計学世界の地図)を把握し…

『新世紀の美徳』 宮崎哲弥

宮崎哲弥の時論集。後半は「論壇まんだら」なる企画が収録されている。 小林よしのりとの論争に触れてある箇所が多かった。一見「保守」っぽくない言説が見られることが多かった気がしたが、世間の「保守」だの「革新」だののやり取りの多くは、表層的なもの…

マンキュー経済学 マクロ編 -12-

ー貨幣量の成長とインフレーションー ・インフレーションの古典派理論 物価水準をPで表すとする。これは財を買うのにPドル必要なことを示している。この考えを逆転させると、1ドル札で購入できる財の量は1/Pということになる。つまり、物価水準が上昇すれ…

相乗り選挙のメカニズム

卒論で相乗り選挙について書きました。慶應大学の名取良太先生の、相乗り選挙に関する論文をネットで拾って、その論文で提示されていた二つの仮説を一つの数理モデルに統合しました。 一応実証分析もやってます。きっと今後日の目を見る機会がないから、ここ…

『マインド・コントロール』 岡田尊司

2012年の本だけど、すでに絶版になってしまってるようで図書館で前ページ印刷して読了。 マインド・コントロールないしは洗脳の技法について、多くの事例を交えながら解説してある。戦前から戦後の米ソによるマインドコントロール研究史なども面白い。現在…

マンキュー経済学 マクロ編 -11-

ー貨幣システムー 貨幣は紙切れだが、複雑な経済においては極めて有益なアイテムである。もしも貨幣が存在しなければ、人々は物々交換で自らの欲しいものを獲得しなければいけないが、このときには「欲求の二重一致」が必要になる。これはなかなか大変なこと…

『世界にひとつしかない「黄金の人生設計入門」』 橘玲

不動産、保険、年金、教育費など、庶民の僕たちが必ず直面する問題について解説してくれたありがたい本。 後半の政府批判とかリバタリアニズム的発想とかそのまま鵜呑みにはできない部分もあるけれど、賃貸のススメとか、教育費の話とかほんと役に立つと思う…

マンキュー経済学 マクロ編 -10-

‐失業と自然失業率‐ ・失業の識別 16歳以上の成人を以下の三つのカテゴリーに分類する。 雇用者 失業者 非労働力 そして、労働力は、 労働力=雇用者数+失業者 で計算され、失業率は、 失業率=失業者数/労働力*100 で表される。さらに労働市場に参加して…

『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』 エマニュエル・トッド

フランスの左派知識人のエマニュエル・トッドへのインタビュー集。ドイツの危険性を指摘したり、そのドイツに従属するフランスを批判したり、ロシアの重要性を強調したりと、欧州の事情は全く明るくないので、勉強になった。 ただ前知識がないと理解しづらい…

マンキュー マクロ編 -9-

・ファイナンスの基本的な分析手法 金融上の意思決定を左右する二つの要素は「時間」と「リスク」である。 ・現在価値 現在価値とは、現在の利子率で将来その金額を生み出すのに今日必要な金額である。 利子率rで100ドルを預けた場合のN年後の価値は (1+…

『思考する機械』 ダニエル・ヒリス

就職する前にITの勉強を少しでもしておかなくてはいけないので、読みました。この本は『コンピュータの名著・古典100冊』で紹介されていて、古典として名高い本です。正直後半は難しくてわからなかったのですが、これから理解できるようになっていけばいい…

マンキュー経済学 マクロ編 ‐8‐

pp.216-246 ・貯蓄、投資と金融システム 金融市場は貯蓄をする人が借り手に対して直接資金を供給できる市場である。中でも重要な市場は「債券市場」と「株式市場」の二つである。 債券市場で扱う債券とは、「借り手が債券の保有者に対して果たさなければいけ…

『この世で一番面白いミクロ経済学』 ヨラム・バウマン

ミクロ経済学マンガ。扱っている内容は、経済学部生が一年生の「ミクロ経済学入門」で学ぶあたりのもの。これを数学で理解して、簡単な問題が解けるようになれば単位はもらったもの同然。 最後の16章にはミクロ経済学の発展の歴史がまとめられていた。 ①ア…

マンキュー経済学 マクロ編 -7-

pp.182-213 ・生産と成長 世界の国々の生活水準の格差を説明するのは「生産性」である。 生産性とは「労働者が一時間当たりに生産できる財・サービスの量」を指す 生産性を決定する要因は、物的資本、人的資本、天然資源、技術知識である。 ・生産関数 Y=…