マンキュー経済学 マクロ編 -7-
pp.182-213
・生産と成長
世界の国々の生活水準の格差を説明するのは「生産性」である。
生産性とは「労働者が一時間当たりに生産できる財・サービスの量」を指す
生産性を決定する要因は、物的資本、人的資本、天然資源、技術知識である。
・生産関数
Y=AF(L,K,H,N)
Y=産出量、L=労働量、K=物的資本量、H=人的資本量、N=天然資源
生産関数は「規模に関して収穫一定」という性質を持っている。これはつまり、すべての投入物を2倍にすると、生産物も2倍になる。数学的には、
xY=AF(xL,xK,xH,xN)
と表される。x=1/Lと置くと、
Y/L=AF(1,K/L,H/L,N/L)
となる。Y/Lは労働者一人当たりの産出量であり、この方程式は労働者一人当たりの変数量に依存することを示している。また技術の状態はAで表されている。
・経済成長と公共政策
貯蓄と投資を促進することは、政府が成長を促進し、長期において経済の生活水準を高める一つの方法である。
資本は限界生産力逓減に従うとされる。すなわち資本ストックが増加するにつれて、資本を1単位増やすことによる産出の増加分は減少する。よって貯蓄率の上昇が成長率を高めるのはしばらくの間だけである。長期においては貯蓄率の上昇によって、生産性と所得の水準は上昇するが、生産性と所得の成長率は上昇しない。
資本の限界生産力逓減より、「キャッチアップ効果」が推論される。これはつまり、初期条件の貧しい国のほうが、成長は容易であるという意味である。
外国からの投資もその国の成長を左右する要因である。
「対外直接投資」・・・外国の事業体が所有する資本投資
「対外証券投資」・・・外国の事業体が国内の株式を購入する