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マンキュー経済学 ミクロ編 -7-

-消費者、生産者、市場の効率性-

 

この章では厚生経済学のトピックである、資源配分が経済的福祉に与える影響を考える。この章の結論は「市場均衡価格が最も良い価格である」というものである。

 

①消費者余剰

まずは買い手が市場に参加することで得られる便益を見てみよう。

 

・支払許容額

個人がある財に対して支払ってもよいと考える最高額を「支払許容額」という。これは買い手の財に対する評価額と考えることもできる。例えば消費者Aが支払許容額100ドルの財を80ドルで手に入れたとすれば、彼は20ドルの消費者余剰を得たことになる。

 

消費者余剰はその財に対する需要曲線と関連している。需要曲線は支払許容額から導くことができる。需要曲線で表された高さは「限界的な買い手の支払許容額」を示している。以下の表では財が4個のとき、需要曲線の高さは限界的な買い手であるDの50ドルであり、財が3個の場合の需要曲線の高さはCの70ドルである。

 

この需要曲線を用いて、消費者余剰を計測できる。つまり、需要曲線よりも下で価格よりも上の部分の面積は、市場の消費者余剰になる。

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・価格の下落と消費者余剰の増加

価格の下落は買い手の厚生を改善させるが、それはどの程度なのだろうか。それは以下のグラフのようになる。

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ほとんどの場合、消費者は彼らの合理性に基づいて購入する財からどれだけの便益を得るかを判断する最良の審判である。

 

②生産者余剰

次は生産者の視点から考えよう。どの生産者も市場価格がその財の提供に要する費用(機会費用)を上回れば市場に参加したいと考えている。たとえば生産者Aが500ドルで財の提供を行ってよいと考えていたときに、600ドル支払われれば、彼は100ドルの生産者余剰を得たことになる。

 

生産者余剰は供給曲線と関連している。これは需要曲線と同じように、限界的な売り手の費用を表している。そして生産者余剰は、価格よりも下で供給曲線よりも上の部分の面積として求めることができる。

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・価格の上昇と生産者余剰の増加

価格の上昇は以下のグラフのように生産者余剰を増加させる。

 

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③市場の効率性

自由市場によって決定された均衡価格は最適な資源配分となっているだろうか。経済的福祉の指標の一つとして、総余剰がある。これは消費者余剰と生産者余剰の合計であるが、それを求める式は以下のようになる。

 

消費者余剰=買い手にとっての価値-買い手が支払った価格・・・①

生産者余剰=売り手が受け取った価格-売り手の費用・・・②

総余剰=買い手にとっての価値-買い手が支払った価格+売り手が受け取った価格-売り手の費用

買い手の支払った価格と売り手が受け取った価格は等しいので、

 

総余剰=買い手にとっての価値-売り手の費用

 

となる。ある資源配分が総余剰を最大化しているとき、その配分は効率的であるという。さらに消費者と生産者の間での経済的福祉の分配割合の公平さを衝平とよぶ。

 

・市場均衡の評価

市場均衡における総余剰は、均衡点までの供給曲線と需要曲線の間の総面積で表される。市場では

1.自由市場は支払許容額で測ったときに最も高い価値をつける買い手に財の供給を分配する。

2.自由市場は最も低い費用で生産できる売り手に財の需要を配分する。

したがって、自由市場は、消費者余剰と生産者余剰の合計を最大にするような財の量を生産する。