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『テキストブック 金融入門』 ⑥金融市場と金融資産

1.金融市場の分類

・金融市場は取引の参加者が不特定であれば「市場取引」とそうでない「相対取引」に分類される。相対取引の典型は銀行などによる貸付である。

・企業が債券発行によって資金を調達する場合で、私募債の場合は相対取引に近い傾向がみられる。私募債の購入者はほとんどの場合、機関投資家である。

・狭義の金融市場は短期金融市場と長期金融市場とに分類される。短期か長期かは主に取引される金融資産の満期の長さで決定される。

・短期金融市場では貨幣の一時的な過剰や不足を調整するために行われる。

・市場には発行市場と流通市場が存在する。

 

2.日本の短期金融市場

・日本の短期金融市場には、インターバンク・マネー・マーケット(銀行間資金市場)とオープン・マネー・マーケットがある。

・オープン・マネー・マーケットで取引される短期金融資産には、譲渡性定期預金(CD)、コマーシャルペーパー(CP)、割引短期国債(TB)、政府短期證券(FB)、ユーロ円などである。

 

①譲渡性定期預金(CD)・・・銀行が発行する大口定期預金。購入者が売却可能な部分が普通の定期預金と異なる。CDは一定期日後に、一定の価格で買い戻すことを条件に売買される。これをCD現先という。

 

コマーシャルペーパー(CP)・・・企業が短期(満期は二週間~九ヶ月)の資金調達のために発行する無担保の約束手形。優良企業のみに発行がゆるされる。

 

③割引短期国債(TB)・・・国債の償還にともなう償還金を再吸収する手段として発行される短期の国債で、満期が六ヶ月、一年の二種類がある。TBでは発行価格が額面価格よりも低い。投資家は安く買い、数ヵ月後に高く売ることで差分の利益をえる。

 

④政府短期證券(FB)・・・国によって短期間(通常は年度内または一年以内)に償還される割引方式の国債

 

⑤ユーロ円・・・日本以外で取引される円建ての金融資産。円建てとは、「価格や利子を日本円で表示すること」を意味する。ロンドン市場が中心。海外の日本への輸出業者が円建てで輸出代金を受け取り、それを海外で保有・運用するときに創出される。

 

3.日本の資本市場

・企業の資金調達手段は、社債、外債および株式がある。

 

社債・・・普通社債新株予約権社債がある。後者は発行会社の株式を一定の条件で取得できる権利が付与された社債。予約権が行使されると、社債は償還されて予約券の行使価格の払い込みにあてられる。

 

②外債・・・日本の居住者が海外市場で発行する債券および非居住者が日本国内で発行する債券を外債という。外債には外貨建ての外貨債と、円貨建てのものがある。円貨建て外債には、非居住者が日本で発行する円貨建て外債と、海外市場で発行される円貨建て債券とがる。前者はサムライ債といわれ、後者はユーロ円債と呼ばれる。

 

③株式・・・利子支払いの約束と償還がない証券。