『テキストブック 金融入門』 第4章 直接金融の仕組み
1.直接金融と間接金融
・証券は満期を基準に短期証券と長期証券にわけられる。
◆短期証券
・約束手形・・・一定の期日に貨幣を支払うことを約束して発行される証券。満期日に支払うことを約束した金額を額面価格という。
・手形割引・・・満期前に銀行で約束手形を換金することができる。この場合買い取り価格は額面金額よりも低くなる。これを手形割引という。この差は貸付にともなう利息に相当する。
・手形貸し付け・・・銀行が借り手に手形を発行させて、短期資金を融資すること。
・コマーシャルペーパー・・・短期資金の調達のために、無担保で発行される約束手形。
◆長期証券
・証書借り入れ・・・借り手が借用証書を発行して資金を調達する手段。満期は通常一年異常。
・債権・・・額面価格、満期、利息などを記した証券。
私募債・・・特定の投資家に向けて発行されるもの。
公募債・・・広く一般投資家に向けて発行されるもの。
・株式・・・満期のない長期の資金調達手段。配当や、解散後に債務を返済した後の財産を分配してもらう権利をもつ。持分とは保有株式数を発行済株式総数で除したもの。
・直接金融とは、最終的貸し手から最終的借り手に貨幣が移転するときに、直接証券だけが発行される金融のこと。
・間接金融とは、間接証券(預金通帳など)が含まれる金融形態。
2.情報の非対称性と直接金融
・株式会社の株主は個人的に会社の負債を返済する義務を負っていない。対して個人企業は無限責任である。
・発行額が大きいこと。なぜなら社債の発行費用と販売費用は大きな固定費用であるから。
・透明性のある情報。
・貸借対照表は、まず資産と負債の価値を決定し、資産価値から負債価格と控除して、株主資本の価値を求める。
・証券会社の店頭で売買する株式公開を店頭公開といい、証券取引所で取引できるようにする株式公開を株式の上場という。
・東証マザーズやヘラクレスなどの証券市場は、新興企業の上場を容易にするために作られた。
・社債発行のためには、事業内容、資本構成、財務諸表、資金使途などを含む目論見書を公開しなければいけない。
・証券会社にはセリング業務とアンダーライター業務がある。
・満期前に既発証券を売買する市場を流通市場という。必要に応じて投資家がポートフォリオを調整できる流通市場は、発行市場の活性化のためにも不可欠である。
◆証券会社の役割
発行市場において
・セリング業務
・アンダーライター業務
流通市場において
・ブローカー業務・・・投資家の注文取次
・リーディング業務・・・自らリスクをとって売買する。