『テキストブック 金融入門』 ⑤間接金融の仕組み
1.銀行の金融仲介機能
・貸し手の情報生産活動にかかる費用(審査費用や監視費用)を情報生産活動という。これは個人よりも銀行の方が低くなるから、結果として貸し出しが増え、利子率が低下する。
・銀行は最終的貸し手の選好にあった資金運用手段を創設する「資産転換機能」を持っている。
・土地担保融資には、将来性はあるが土地のない企業に金が融資できないなどの問題点がある。
・貸付債権の証券化とは、貸付債権を担保として、利子と元本の受け取り請求権を持つ証券をつくり、それを分割して投資家に売却すること。これは以下のように行われる。
①銀行が特別目的会社を設立する。②これは貸付債権から得られる利子と元本返済金を受け取ることができる証券を作り、投資家に販売する。③銀行は貸付をした企業からの返済を特別目的会社に支払う。④特別目的会社はこの資金を証券を保有する投資家に支払う。
・満期の短い預金と満期がきわめて長い住宅ローンの組合せは、満期のミスマッチと呼ばれる。
2.銀行以外の金融仲介機関
・銀行以外の金融仲介機関には、保険会社と投資信託委託会社、ファンド及び信託銀行がある。
・投資信託は小口の投資家に対して、分散投資による手数料増大という問題を関しながら、株式投資や社債投資にともなうリスクの軽減を図る。
・狭義のファンドでは私募の投資によって、機関投資家や富裕層から集めた資金を運用する。
A1.銀行には貸付の専門機関としての審査費用における規模の経済が存在する。それゆえ低い金利でも、審査費用が低くなるので、貸付を行うことができる。
A2.借り手のモラルハザードを防ぐために、貸し手は借り手の監視を行うが、これにも規模の経済が存在するため、銀行はモラルハザードを防ぐことができる。
A3.省略
A4.預金の預け入れと引き出しに関して「大数の法則」が働くから。
A5.長期の証券の金利を、変動金利制にすることで、金利リスクを軽減する。